土曜日

右側・左側通行

道路の通行区分が「人は右、車は左」の国へ行くと、ホッとする。逆の国では交差点で車の動きが読めず、危ない目に遭った。バスもドアが右にあるため面食らってしまう。

 日本と同じ「車が左」は世界で少数派だ。英国や豪州、インド、香港など旧英国領の国が多い。「車は右」は北米や欧州大陸、旧ソ連諸国、中国、韓国などだ。ラオスなどインドシナ三国は右、隣のタイは左なので行き来は大変だろう。

 戦前、日本は人も車も左側だった。現在の対面交通に変わったのは一九四九年の道路交通取締法からだ。変更費用が少なくて済む英国方式を導入したが、占領軍は米国方式を勧告していたから、もしかすると車は右になっていたかもしれない。

 交通博物館(東京)によれば、日本では古くから人がすれ違う際、互いに左によけていたそうだ。このため明治に入り左側通行が各所で定められ、一九〇〇年に規則で統一されたという。武士が左腰に差していた刀が触れ合わないよう左側通行になったという面白い説もある。

 旧ソ連諸国で日本の中古車人気は非常に高いが、今、異変が起きている。右側通行で右ハンドル車は危険だとして、中央アジアの国で輸入禁止が相次いでいるのだ。ロシア政府も以前から禁止する動きがあり、中古業者は戦々恐々という。

 街に日本の中古車があふれる沿海州以外でも好景気のおかげでロシア全土に新車も含め日本車が走る。輸入禁止反対の市民デモも毎年のように起き、社会問題となっている。恐るべし日本車。

愛媛新聞 - 2007/3/10
ラベル: 中古車、輸入禁止


masahiro さんの投稿 @ 13:18

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