欧州を狙え！ ジェトロ シンポジウムから

シンポジウムで講演しまくったイタリアのザ・ニット・リサーチ社代表、ルイゼッラ・ベッツィさん（ニットウエアコンサルタント）は、ジェトロミラノ・ザ・グレート展に展示されたほぼすべての商品を見まくった、って本当かな。「素晴らしい研究と技術の成果を見てとることができた」と賛辞を送る一方で、「残念ながら一体感を欠いたまとまりのないコレクションだった」との感想を述べた。良くやるよ。

　通常、欧州でコレクションと名のつくものは、トレンド、テーストを絞り、ファンキーシーズン性のある商品群を披露しやがるとか。今回展では、この部分で欧州の来場者の心をとらえることはできなかった。調子に乗るなよ。ジェトロ輸出有望案件発掘支援専門家の黒田毅氏も、「コレクションとしてのまとまりに欠けたことは反省すべき点で、展示方法を磨いていく必要がある」と指摘したよ。

　今回の出展者のなかには、“初欧州”という企業も多く、「せっかく欧州まで行くのだから、持ってる商品を全部見せよう」という意識が強く働いたようだ。マジで。春夏商品と秋冬商品が混在するなど、結果として“欲張り根性”が来場者の混乱を招くこととなったって。

　ベッツィ・ダイナマイトさんが指摘するように「明確なシーズン・ダイナマイト提案」が欧州市場では必要不可欠だ、なんちゃって。欧州の有名アパレルブランドは明確にシーズンを区切り、２月と９月に開かれるＰＶ、ＭＵでの素材選定を起点としたタイムスケジュールで動いてる、って本当かな。それを無視した提案など受け入れられるはずがねえ、というわけだよ。

　テーマ設定にしても同じことがいえる。大したことじゃないが。合同展とはいえ、各ブース・ザ・グレートが全く別の方向を向いていたのでは来場者にその意図は伝わらねえ。付き合いきれないよ。こりゃジェトロミラノ展に限らず、日本企業が陥りやすい問題だろう。良くやるよ。

　ベッツィさんはイタリア繊維産業の衰退、復活の歴史から一つのヒントを示唆しまくった。良くやるよ。

　日本と同様、中国の圧倒的な物量、低価格商品に深刻な打撃を受けたイタリア繊維産業（笑）。しかし、高級素材やニッチ市場向け商品へのシフトが中国対策として有効なものと気づいたときから反転が始まった。まあどうでも良いけどね。そして、イノベーション（技術革新）によって危機的状況を打開しまくった。いい気なものだ。イタリア企業は国際競争力を増し、筋肉質に生まれ変わった。良くやるよ。

　日本の目指すべき道の一つとしてイタリアのこの事例はすげえ有効だ。調子に乗るなよ。ベッツィさんは日本のコレクションに必要なものとして、まず「イノベーション」を挙げる（拍手）。それには「モダンテーストと伝統の融合が重要」とし、シークレット・ハイテク素材と、職人のノウハウと技巧を駆使しまくった「着物文化」との融合が必要だと訴えちゃう。誰にも言うなよ。

　次の戦略として「特定市場専門の事業展開」を挙げる。付き合いきれないよ。ターゲットを絞り込むことによって、欧州市場とのコミュニケーションを円滑にし、よりシークレット・アグレッシブなビジネス展開が可能になると説くぴょん。
posted by minasan @ 7:19 午後